日本十進分類表のイラスト

日本の図書館で広く使われている本の分類法に、「日本十進分類法」(NDC)というものがあります。
これを表にしたものが「日本十進分類表」で、どの図書館でも一つくらいは掲示してあるはずです。
でも、学校の図書室、それも小学校、中学校で使うには、ちょっと難しすぎるなぁと思っていました。
大人の本だったらたくさんあるだろうけど、小学校では、この分類のものは少ないなぁとか、こっちの言い方の方がわかりやすいんだけどな、という感じとか。

なので、作ってしまいました。
ざっくりした書き方なので、大人の図書館には物足りないだろうなと思います。
でも、小学校だとこれでもちょっと難しい、でも、ギリギリわかるかな?という感じ。

紙芝居にしようとしているのですが、何だか長くなってしまって、まだ完成できません。
オリエンテーションでちょっと話してみたのですが、長すぎると子供達の集中が途切れてしまって。
難しいなぁ。

↓オリエンテーションでは、こんな感じで喋りました。

本の分類を知っていないと、正しい場所に返せません。
そして、分類のことがわかると、自分が探したい本をうまく探せるようになります。


こんな表をどこかでみたことがあると思います。
この図書室にもあります。

昔々、大昔、本がまだ少なかった頃は、適当に本を置いていた時代があります。
でも、本の数が増えてきたので、全てに番号を付けて、正しい場所を決める、ということになりました。
分類の起源は2000年以上も前になります。
日本の分類は、150年くらい前にアメリカで作られたものをもとにしています。
これが、その表です。

日本中の図書館が、この、同じ表を使っています。この図書室も、です。
例えば、おばけずかんのシリーズは、「913サ」の所にあります。
サイトウヒロシさんが書いた、日本の小説だからです。
もっと大きな図書館に行っても、この本は、同じ「913サ」の所にあります。
だから、本の分類を知っていると、自分の読みたい本を見つけることができます。

さて、この図書館の本の置き方とは、一体どういうものなのでしょう?
という訳で、ここから本の分け方、分類の話になります。

それでは、0から9までの分け方について話しましょう。
分類番号は3つの数字でできています。
その最初の数字が、大きな分類になっています。


本の背表紙を見てください。
1番上の番号が分類番号で、真ん中が作者の名字、1番下には、本の巻数が書かれています。
外国の人は名字が名前の後なので、後の方の文字が入っています。

ここで注意が一つあります。
絵本だけは、子供が探しやすいように、本の題名順に並べられています。
このEのマークが「えほん」です。
絵本だけは、別の棚にまとめて、本の題名順です。

では、本の分類の話に入ります。
まず、9類です。9から始まる3ケタの数字です。
みなさんが 一番良く借りる本、文学、物語の本です。
913は日本文学、日本の人が書いた本です。
9が文学、次の1が日本、最後の3が小説です。
914、915、916は、エッセイやノンフィクション、現実にあったこと、などです。
920からは、外国の人が書いた本で、本当は外国の言葉で書かれています。
日本人が読めるように、日本語に翻訳してあります。

この図書室では、920~929を中国文学、930以上999までを一緒にして「外国文学」として置いています。
なので、933や943の本が一緒になって、作者の名前順に置かれています。

数字の違いは、その本がどこの国で書かれたか、ということです。
933は英米文学、アメリカやイギリスで出版された本です。
943はドイツ文学、953はフランス文学、などです。
でも、ここでは一緒に、作者の名前順に置いています。
でも、大きな図書館ではちゃんと番号別に並べられています。

※うちはこのような置き方をしているので、わかりやすいように、日本文学と外国文学、2種類の画像を作っています。

つぎに、8類です。

8類も800から899までの番号があります。
ここは、ことばの本、です。
英語の本や、熟語の本、ことわざの本などがあります。
みんながよく借りているポケモンの熟語大辞典もここです。


7類は芸術やスポーツに関係する本です。
なぞなぞやマジックもここです。漫画もここに入ります。
歴史や偉人の漫画がありますが、これは歴史の方に入ります。
ドラえもんの漫画は、英語で書かれているので、さっきの8類、言葉の本の所に置いています。


さて、次は6類です。産業、という分野になります。
農業林業水産業、畜産業など、他に観光や、交通、通信など、人が働いて生活を豊かにするイメージです。
花や木の育て方やお店の作り方、携帯電話やスマホのことはここになります。


5類です。技術や工学という分野です。
色んな機械や技術のことがここになります。
学校では、家庭科や料理、環境問題やリサイクルに関係した本があります。


次は4類です。4類には沢山の本があります。
理科で出てくる感じの本です。
ざんねんないきもの事典や宇宙人の本、サバイバルシリーズもほとんどがこの4類です。
でも、ロボットについての本は5類になっています。(5類はさっき言いましたけども、技術や工学の分野です)
でも、同じシリーズ、ということで、同じ所に集めて置いています。
なので、サバイバルシリーズは数字がちょっとバラバラです。


3類です。社会科学、という分野です。
ここでは、政治や社会のしくみに関係する本で、仕事の図鑑や世界の戦争の本、ボランティアや、防災に関係する本が ここです。

それから、オバケが出てくる怪談の本があります。
ちょっと不思議かも知れませんが、これは「民俗学」という勉強の分野があるからです。
学校ではあまり聞きませんが、大学にいくと専門に勉強している所があります。
もしオバケの話にとても興味があったら、是非大学に行って勉強してみてください。

3類には、日本や世界の人々の色々な暮らしを研究する本が集まっています。


2類です。学校には、2類の本がたくさんあります。
日本の歴史、世界の歴史、偉人の伝記が、ここです。
日本や世界の色んな地方に関する本がここになります。


1類は、哲学や心理学など、「考える」ということについて書かれた本です。
マイルールという漫画の本も、ここです。
ともだちって何だろう?と考えたり、どうしてこんなにイライラするんだろう?と、悩んだり、何かについて考えてみたくなった時、ヒントになる本がたくさんあります。


最後はゼロ類です。
ここは、それ以外、の本の場所です。
大型の百科事典や、貴重な本、図書館に関する本などです。
郷土に関する本もここになります。

このように、本はゼロ類から9類まで、大きく10の種類に分けられています。
分類がわかると、読みたい本を見つけやすくなります。
どの図書館に行っても、です。
なぜなら、日本の全ての図書館は、この分類に従って、本を置いているからです。

図書室に探しに来ても、一回探して無かったら「ない!」と言ってあきらめてしまう人がいますが、できるだけあきらめないで、探してみてほしいです。
見方を変えると、他の分類で見つかることもあります。

本には、たくさんの人達の考えた貴重な情報が詰まっています。
本をたくさん読むことで、それを正しく読み解く力がつきます。
どんどん本を読んで、色々な体験をしてください。

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A4サイズで作っていますが、A3に拡大しても印刷に耐えられる画質だと思います。
購入していただけると、今後のはげみになります。
どうぞよろしくお願いします。
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日本十進分類表、少し変更
春に、オリエンテーションのために作った分類表ですが、直したい所が色々出て来てしまいました。 読み方が違っている、という指摘も受けまして、こ...

以前noteで購入いただいた方は、何度でも同じページに行けますので、お手数ですが再度ダウンロードしていただけますようお願いします。

自分で使い安いように作っている画像ですが、もしかしたら間違いや勘違いがあるかもしれません。
もし何かお気づきのことがありましたら、連絡いただけると有り難いです。

※図書館内に掲示するために、分類の数字を大きくわかりやすくした案内イラストも描きました。(2002年5月)

小学校図書館の掲示用イラスト(日本十進分類表)
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