「図書館情報資源特論」レポート(合格)

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【設題】
灰色文献とはなにか、灰色文献の定義や意義、特性について記述してください。また、灰色文献と言われる具体的な資料名を挙げて、その資料の特徴についても説明してください。

【解答】
 1.はじめに
  「灰色文献」とは、通常の出版ルートに乗らない資料のことを言う。市販され、簡単に入手できる文献を「白色文献」、国家や企業の機密文書など公開していない文献を「黒色文献」と言う時、「灰色」とはその中間を意味するため、存在が確認されてはいるが入手しにくい文献や、存在そのものが未確認の文献を指す時に使われる。
  ここでは、灰色文献の定義と意義、その特性について記述した後、具体的な資料について述べる。
 
 2.灰色文献の定義と意義、その特性について
 
  現在、最も一般的とされる灰色文献の定義は、灰色文献国際会議の場で議論が行われたニューヨーク・ルクセンブルグ定義である。それによると灰色文献とは、「紙や電子フォーマットで、政府、大学、ビジネス、産業のあらゆるレベルにおいて生み出されるもので、商業出版社によってコントロールされない」「すなわち、主たる活動が出版を本業としない組織によってコントロールされている」と定義されている。[1]つまり、商業出版ルートに乗っていないがゆえに入手しにくく、存在確認もし難い資料が、灰色文献の定義となる。
  存在が把握できない資料を確認することは、例えば特許や研究の調査などに必要となる。発表しようとする発明や研究が以前になされていたかどうか、また、申請したい特許が既に取得されていないかどうか、研究に必要なデータがどこかに発表されていないかどうかなど、それらはおしなべて地味な資料であり、商業出版には向かないが、他に換えがたい貴重な資料である。そのため、図書館がそれらを保管することは非常に意義がある。
  近年、デジタル化の普及により、灰色文献の定義が変わりつつある、大学の研究資料や政府刊行物など、以前は入手困難だった門がデータ化され、インターネットで簡単に閲覧できるようになってきた。それらはもはや灰色文献とは言えない。しかし、ネットの情報は更新や削除が頻繁に行われ、突然非公開になる可能性や、サイトが閉鎖される恐れなどもあり、常に入手可能とは限らない。公開までに時間が掛かる場合もある。そのため、図書館としてはこのような情報をいかにキャッチし、保存していくかということは大きな課題となっている。その手立ての一つとして、メタデータに関する電子アーカイブの研究が世界で進められている。[2]
 
 3.灰色文献の具体的資料とその資料の特徴
 
  灰色文献としては以下の物がある。
 
 ①政府刊行物
  国家機関が立法、行政、あるいは広報のために作成、発行した資料のことで、灰色文献の代表例として扱われていたが、近年インターネットで公表される物も多くなった。例えば「官報」は、30日以内ならインターネット版で閲覧することができる。(注1)しかしそれ以前のものは現物またはマイクロフィルムでの提供となり、灰色文献の定義を満たすものである。
 
 ②地方自治体が作成した資料
  地方自治体による資料も最近はデジタル化されている場合が多いが、過去の資料は書籍で発行されており、灰色文献となっている。例えば「*****(統計資料集)」であるが、毎年冊子で作成されているが、最近ではPDFで公開されている(注2)統計データの変遷を見ると昭和47年から始まっているデータが多く、その頃から資料としては存在していたと考えられるため、それら過去の資料は灰色文献である。
 
 ③民間のシンクタンク、調査研究機関などが作成、発行したプロジェクトでポートや市場調査報告書
  民間の調査によるレポートは、くつかインターネットで公開されている。(注3)灰色文献となるのは、そこで公開されている以外の資料となる。
 
 ④学位論文
  学位論文は本来流通を目的としていないため、「資料価値が非常に高い反面、「一般的には入手が困難で、灰色文献の代表例であった。しかし、平成25年より学位規則が改正され、博士論文の全文を公表する義務が課せられた。それらは一部学術機関リポジトリで全文閲覧できるようになっている。しかし、情報の著作権や知財管理などの問題もあり、急速な時代の変化に対応するための仕組み作りが必要となっている。(注4)
 
 ⑤会議録
  会議録とは学会などの会議の正式な記録をまとめたもので、一般的には参加者のみに配布されるため入手が困難な灰色文献である。しかし、これも近年公開が進んでいる。例えば国会会議録は国立国会図書館において検索できる(注5)しかし、地方議会の議事録などはまだ公開されていない物が多く、これも灰色文献となる。
 
 4.おわりに
 
  デジタル化のは実は今後もさらに続き、おそらく今まで灰色分煙であったものがほとんどデータ化され、インターネット上に保存される日も来るであろうことが予感スネア琉。しあkし、それと同時に、新たな形態の灰色文献が出現するであろう事も予測される。
  そのため、何が灰色文献であるか、どういったものが入手可能で、そこからこぼれ落ちている物は何であるかを考える必要がある、明らかになってはいないが、価値のある資料というのが存在している可能性がある、ということを、情報を扱う図書館員は意識しておかなければならない。

【参考資料】

[1]池田 貴儀「問題提起; 灰色文献定義の再考」 『情報の科学と技術』 62(2), pp.50 -54 情報科学技術協会 2012年
http://jolissrch-inter.tokai-sc.jaea.go.jp/pdfdata/AA2011-0802.pdf

[2]総務省 「デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン~」第4章 デジタルアーカイブの構築・連携の課題 p31 (2012年3月26日)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000153595.pdf

【参考ウェブサイト】
(注1)インターネット版 官報 http://kanpou.npb.go.jp
(注2)*****(統計資料集) http://www.pref.*****
(注3)生活総研 http://seikatsusoken.jp
(注4)学術機関リポジトリ構築連携支援事業 https://www.nii.ac.jp/irp/
(注5)国会会議録検索システム http://kokkai.ndl.go.jp

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個人的な感想

灰色文献・・・この勉強をするまで知らなかった言葉でした。

今はデジタル化が進んで検索も簡単になったけれど、前は、こういった文献を探すのが司書の能力だったんだろうなと。

このレポートは、ちょっと抽象的だと言われました。

もっと具体的に書いた方が良いとのことです。

でも、何とか合格をいただきました。