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【設題】
学校図書館の利用教育の指導内容を挙げ、それぞれについて述べるとともに、「図書館利用教育ガイドライン-学校図書館(高等学校)」を参照(日本図書館協会ホームページの「委員会」の利用教育委員会にて全文公開。冊子は「参考書の紹介」参照)し、利用教育の手段はどうあるべきか、貴方自身の考え方を含め、論じてください。
【解答】
1.はじめに
近年は高度情報化社会にあり、今後もますますその傾向が強まることが予想される。膨大な情報から必要な物を手にする技術が、社会で生き抜くために重要になってきている。
2.学校図書館の利用教育の指導内容について
利用教育とは利用指導とも言われ、図書館の使い方や、求める資料を手に入れるための検索方法などを、図書館が指導するものである。日本の大学生は、米国の学生に比べて文献を調査する技術が低く、レポート内容が貧弱になりがちであるという指摘もあり[1]、小・中・高等学校における図書館の利用教育の充実が求められている。
1983年に文部科学省が刊行した「小学校・中学校における学校図書館の利用と指導」に見られる指導内容は、以下のものである。
①図書館の使い方を知り、資料を利用する。
②図鑑や辞書、年鑑などの情報系資料を利用する。
③情報を収集し、記録史、まとめ、適切に伝達し、保管する。
④読書の楽しみを知り、進んで読書の行事に参加する。
また、全国読書協議会(SLA)は、「情報・メディアを活用する学び方の指導体系表」を発表し、2004年においては、「学習と情報・メディア」「学習に役立つメディアの使い方」「情報の活用の仕方」「学習結果のまとめ方」の4つを学校図書館の利用指導内容としている。
今は、生徒も、インターネットを検索すればより多くの情報が手に入ると知っている。しかし、その情報の信頼度をどう測るのか、入手した情報をどう選別するのかについては、学習する必要がある。この「文献調査法」という技術の認知度を上げ、そのための情報を扱う場所として図書館が認識される必要がある。
3.図書館利用教育のガイドライン
1998年発行の『図書館利用教育ガイドラインー学校図書館(高等学校)』[2]は。高等学校の図書館における情報教育の指針を提示しようとしたものである。指導の目標と方法については、以下の5つの領域に区分けされている。
①印象づけ(情報ニーズを満たす場所としての図書館の認識)
②サービス案内(情報の特性を理解し、情報源の探し方と使い方を知る)
③情報探索法指導(情報の特性を理解し、情報源の探し方と使い方を知る)
④情報整理法指導(情報の抽出、加工、整理、保存の仕方について知る)
⑤情報表現法指導(目的に合った情報の表現方法、メディア、守るべき情報倫理について知る)
それぞれの指導目標については、学校図書館単体でできるもの、教科と関連して行うものがあり、各方法の具体的なプランが提示されている。この具体的な指導方法についてであるが、学校図書館と教科との協力のあり方から見て、以下の3つの段階に分けて示されている。
①「関連なし」図書館が独自に実行するもの
②「関連あり」各教科と関連づけた取り組み
③「統合」学校図書館と教科が共通のカリキュラムを持ち、分担して指導を行う形態
これによると、現在学校図書館で行われている資料を使った調べ学習は②の段階であり、将来的には③の段階を目指すべき到達目標としている。しかし、ICT機器の設置状況や予算、情報教育カリキュラムの未整備などの現状を考えると、③は今後段階的に実現を目指すものとして、具体的な方法の提示は②までの段階となっている。
4.利用教育の手段はどうあるべきか
学校図書館と教科の連携としては、「調べ学習」が知られている。これは、「基礎的・基本的な知識及び技能を確実に取得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い」(注1)という文部科学省の「小学校学習指導要領」の趣旨に則した取り組みで、総合的な学習の時間の「探求的な学習」として位置付けられている。
ところが2011年に書かれた『「調べ学習」とは何か・・・類型化の試み』では、真の狙いが曖昧なまま「資料」を「調べる」という部分だけに注目して指導してきた結果、生徒児童が受動的で、新しい考えを導き出すには至っていない問題状況がある、としている[3]
そして、特に小学校における調べ学習を、「スキル習得型調べ学習」「発展型調べ学習」「探求的調べ学習」という3つの類型に分け、それぞれの到達目標を明確化し、段階的にスキルを上げていくという提案がなされている。
一口に学校と言っても状況は様々で、設備や予算の充実した所もあれば、インターネットの環境すら整わない所もある、学校図書館の充実度や司書の配置実態も違う。そのため、各学校や学校図書館の状況に応じて到達目標を小分け、明確化して、徐々に目標を上げていく方法は現実的なやり方であると言える。
5.おわりに
現在、情報の取り扱いや資料の検索、活用方法が、学校の教育内容として盛り込まれている。そして、学校図書館は、校内においては資料や情報の所蔵場所であるため、調べ学習の実践の場として重要となってきている。
そのため、これからはより一層教師との連携を深め、教育的到達課題は教師が、情報検索技術は司書が、それぞれが協力して指導にあたることが望ましいと考える。
【参考文献】
[1]毛利 和弘 『情報サービス論』 近畿大学通信部 69p
[2]日本図書館協会 『図書館利用教育ガイドラインー学校図書館(高等学校)』 1989年 https://www.jla.or.jp/portals/0/html/cue/gl-s.pdf
[3]辻村 敬三 『「調べ学習」とは何か・・・類型化の試み』 京都府総合教育センター 平成23年度研究紀要(第1集) 9p http://www.kyoto-be.ne.jp/ed-center/cms_files/kenkyukiyo/h23_kiyo.pdf
【引用文献】
(注1)文部科学省 『小学校学習指導要領(平成29年3月)』3p 第1章 総則 第1の2(1)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/sou.htm
個人的な感想
メディア授業のためのレポート、その2。
これもそんなに簡単には書けません!
インターネットから情報を探して、それも確かな筋からの情報でないといけないし。
小さい文字を読んで、レポートに取り込んで。けっこう時間かかりました。
その甲斐あって、良いレポートの一つです、という感じの評価をいただき、かなり嬉しかったのですが・・・
スクーリングで、同じ評価をもらっていた人がけっこういたことがわかり・・・
実は、けっこう舞い上がって嬉しがってたので、がっくりきちゃいました。(笑)